ビジュアルアイデンティティの企業での活用と作り方
会社のデザインが「バラバラ」を
解決する
会社のデザインが「バラバラ」を解決する
解決する
自社の商品や情報を発信しているホームページやSNS、パンフレット、動画、空間等のデザインやメッセージが「統一感がなくトーンがバラバラなので、うちの会社でもビジュアルアイデンティティを作りたい。」そんなご相談を頂くことがあります。
自社でビジュアルアイデンティティを策定しようと考えた際、そもそもビジュアルアイデンティティとは何なのかや、どのようなプロセスを経て作っていき、企業戦略においてどのように活用することができるのかを正しく理解した上で、策定を依頼するブランディング会社やデザイン会社を選定することが大切です。
ここではコーポレートアイデンティティ(CI)を構成する、ビジュアルアイデンティティに関する基礎知識や、私たちのお客さまの実際の事例をご紹介しながら、ビジュアルアイデンティティ策定を発注する際のポイントをご紹介できればと考えています。
ビジュアルアイデンティティとは?
コーポレートアイデンティティ(CI)とセットでよく使われる、ビジュアルアイデンティティは英語ではVisual Identity、VIと略されて呼ばれることが多くあります。
アイデンティティは良く一個人に対して使われたりしますが、一般的には「他人とはっきりと区別される、その人らしさ」のことです。これを企業に置き換えると「他社とはっきりと区別される、その会社らしさ」を伝えることということになります。
それをビジュアルのチカラで実現する、つまり「視覚的なその会社らしさ」がビジュアルアイデンティティの最もシンプルな定義です。
ビジュアルアイデンティティは
企業経営にどう役立つのか
企業経営にどう役立つのか
では企業経営においてビジュアルアイデンティティ、「視覚的なその会社らしさ」を伝えることはどのような効果を生むのでしょうか。
もしビジュアルアイデンティティが確立されてない状況で、自社やサービスの発信を様々なところで一生懸命頑張っていた場合、せっかくの発信が同じ会社の発信と感じ取ってもらえず、競合他社の中から自社を覚えてもらうことへの機会損失に繋がっている状態と言えます。
会社を運営する上で他社との「差別化」は頻出するキーワードの一つですが、視覚的な面から差別化を実現し、自分たちの会社らしさや価値を感じてもらうことは、五感の中でも視覚に頼るところが非常に大きい私たちにとって、自社を覚えてもらうための有効な手段になります。
ビジュアルアイデンティティ
の成功事例
の成功事例
それでは私たちが実際にご相談頂いたお仕事の中から、ローソン銀行さんの開業時にご提供したビジュアルアイデンティティ策定の事例を、プロセスごとにご紹介していきます。
- ロゴデザインはビジュアルアイデンティティの基準
ビジュアルアイデンティティと言うと、「ロゴのことでしょ?」と思う方も多くいらっしゃいます。ですが、ロゴはビジュアルアイデンティティの方向性決定の基準になるような大切なシンボルではありますが、もちろんロゴ = ビジュアルアイデンティティではありません。
ビジュアルアイデンティティを策定する流れの中で、ロゴがデザインの方向性を決めることが多いのは、例えばロゴのカラーが視覚的に認知してもらう上で大きな役割を担ったり、ロゴで使用しているフォントを他媒体でも踏襲したりすることが基本的な考え方になるからです。
そのため、ビジュアルアイデンティティにおいてロゴが重要であるがゆえに、ロゴデザインから着手するというケースはありますが、必ずしもロゴをリニューアルする必要はなく、既存のロゴデザインを踏襲したり、少しだけブラッシュアップしたロゴデザインへ微調整をしたりといったこともあります。
- デザインアイデアの出発点はメッセージ
ビジュアルアイデンティティ策定の実際の進行はロゴなどの視覚的なデザインによって行いますが、デザインの方向性を決めるための出発点になるのは、企業理念やビジョン、ミッション、社名の由来、ブランドコンセプトなどの言葉が明確になっていることです。
それらの言葉からデザインアイデアを膨らませていったり、意味を持ったデザイントーンの方向性を絞ったりします。ですので、このような言葉が社内でしっかりと言語化されていることはとても重要です。
ローソン銀行さんの開業時のブランディングデザインプロジェクトの場合は、ローソングループの理念である
というメッセージが、ビジュアルアイデンティティを考える上での発想の起点になりました。
- キーとなるデザインアイデアをつくる
まず、ロゴをベースにしてブルーのトーンでデザインを展開することを設定し、その上で「みんなと暮らすマチを幸せに」というローソングループの想いが込められたメッセージ(グループ理念)を、どうしたら視覚的に想いをより届けることができるかという問いが、軸となるデザインアイデアを生み出す”きっかけ”になっています。
私たちがデザインをする際のアプローチとして大切にしていることは、まずお客さまがお持ちの想いをしっかりと言語化すること。そしてどうしたらその想いを視覚的にも表現することができ、より顧客の想いを届けることができるのか。という考えで、デザインを進めることです。
ローソン銀行さんのビジュアルアイデンティティ策定では、始めに上記のイメージのようにマチを構成する人々や木々、鳥、車、ローソン店舗など特徴あるアイコンを一つずつ描いていきました。
そしてそれらを組み合わせて利用することで、あらゆる媒体に展開できるデザインの柔軟性を実現しながら、「みんなが暮らす幸せなマチ」がどこまでも広がっていく様子を表現するというデザインアイデアが採用されました。
- ビジュアルアイデンティティから媒体デザインへ
このようなデザインアイデアを中心として、メインカラーやサブカラーの色設定、フォントの選定、アイコンデザインの基本型などをビジュアルアイデンティティとして「ローソン銀行スタイルブック」という冊子にまとめました。
具体的な媒体のデザインに着手する前に、ビジュアルアイデンティティとしてデザインの方向性、視覚コミュニケーションの方向をまとめておくことは、各媒体のデザインに統一感をもたらしてくれます。
このようにデザイントーンが統一されていることで初めて、ローソン銀行が目指したい世界観が表現され、広告など各媒体を消費者に目にして頂いた時に「これはローソン銀行のものかな?」という社会的認知が浸透し、一貫した印象が残り覚えて頂けるという流れが生まれていきます。
ビジュアルアイデンティティの
作り方
作り方
ビジュアルアイデンティティはこれまでご説明してきた通り「視覚的にその会社らしさを体現したもの」ですが、デザイン面での「らしさ」として何をあらかじめまとめておくべきなのか、基本的な事項や作り方を簡単にご紹介します。
私たちがビジュアルアイデンティティの策定を担当させて頂いた遺伝子技術を応用した不妊、少子化の社会問題等に取り組む医療ベンチャー企業、Varinos株式会社。
Varinosさんのビジュアルアイデンティティ構築に際しては、既存ロゴをベースにしながら新しいロゴに刷新。
そこから企業としてのカラー設計やフォント設定、モチーフの設定、ベースとなるアイコンやイラストデザイン、SNSでの画像作成ルール等を「スタイルブック」として、最終的におまとめしました。
スタイルブックの社内での運用
このような自社のビジュアルアイデンティティをまとめた「スタイルブック」は、他社様に制作物を依頼する際に、守って頂きたいデザインのガイドラインとしてお渡しすることができるだけでなく、社内での資料作成などの際にも社員の方にご覧頂くことで、自社のデザイントーンを整えながら運用することができるようになります。
ですがもちろんビジュアルアイデンティティを策定しスタイルブックにまとめたとしても、それを配布するだけで全ての自社の商品や日々発信する様々な媒体の視覚的なコミュニケーションが完全に統一できるようになるという、万能なものではありません。
普段仕事としてデザインに馴染みのない職種の社員の皆さんにとっては、デザインのトーンを理解し、守りながら発信活動をしていくことは難しいことでもあります。
だからこそ、SNSのように日々の発信が必要な媒体に関してはツールを自社で運営し、その他の媒体はデザイン会社に作成や改訂の依頼をするなど、自社の媒体それぞれの作成、運用面に関しての指針をあらかじめ決めておくことも大切です。
私たちMove Emotions株式会社では、お客さまが社内で割けるリソースや抱えていらっしゃる課題感やご要望によって、柔軟に対応させて頂きながらお客さまの「ブランディング部」として、身近に相談して頂けるパートナーとして、一貫性のあるブランドイメージの実現をお手伝いしています。
- Move Emotions株式会社 / ブランディング事例
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- Writer
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代表取締役 / 高野 仁
2002年にMove Emotionsを高校時代の親友と共に創業。
現在は企業の「想い」を引き出し言語化した上でデザインする、
共感ブランディングを実践中です。2002年にMove Emotionsを
高校時代の親友と共に創業。
現在は企業の「想い」を引き出し
言語化した上でデザインする、
共感ブランディングを実践中です。
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